
2021.03.12

PLAYISMは、ORIGAME DIGITAL開発の『ウムランギジェネレーション』が第24回文化庁メディア芸術祭のエンターテインメント部門新人賞を受賞し、同審査委員推薦作品にMinistry of Broadcast Studiosが開発した2Dアクションゲーム『Ministry of Broadcast』が選出されたことをお知らせします。
『ワシントンポスト』2020年ベストゲーム佳作受賞など、海外でもアワードで受賞やノミネートされている評価作『ウムランギジェネレーション』はゲームのフォトモードを主題にするというゲームの新規性やアート、世界観が世界的に評価されており、すでに多くのメディアのベスト2020年ゲームに選出されています。
本日、文化庁メディア芸術祭第24回のエンターテインメント部門「新人賞」受賞が発表されました。現在、Nintendo Switch版の開発が進行中です。
『ウムランギジェネレーション』は、「破滅が迫るクソみたいな世界」の写真を撮っていく “サイバーパンクフォトグラフィカルゲーム”です。破滅を予感させる各ステージの撮影ミッション「フォトバウンティ」をすべてこなしてステージを進めていくと、最後に「この世界の終わり」が示されます。2020年11月にリリースされたDLC「マクロ」では、“その後”の世界が描かれています。
「フォトバウンティ」はステージごとに「MIXという単語」「マウアオ山」などの撮影目標が指定され、それをクリアすることで進みます。
ただし、このゲームのカメラは一眼レフで「フィルムカメラ」のため、撮影できる枚数には限りがあります。撮影枚数はステージ内に置いてあるいくつかのフィルムを拾うことで増やすことができます。
「フォトバウンティ」を達成していくと、「広角レンズ」「望遠レンズ」などの多数のレンズが増えます。写真家がデジタル現像をするかのように「露出」や「カラーバランス」、「彩度」、「コントラスト」、「色収差」などを調整バーで細かく手軽に変えることができます。その場で結果を確認できるので、写真に詳しくないユーザーでも簡単に加工が可能なため、ユーザーの工夫次第で会心の一枚を作ることができます。
開発者のナフタリ氏はニュージーランドの先住民であるマオリ族で、「ウムランギ」とはマオリ語で「赤い空」を意味します。ステージ名やチュートリアルでも多くにマオリ語が使用されています。このゲームのタイトルがなぜ「赤い空の世代」なのかもゲームを進めると自然と理解することになるでしょう。
また、ナフタリ氏は本作で影響を受けている作品として『ジェットセットラジオ』や、『シン・ゴジラ』などの庵野秀明監督作品を挙げています。本編の「終末観」の表現にはその影響を多く見て取ることができます。

『Ministry of Broadcast』はチェコのデベロッパーMinistry of Broadcast Studiosが、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』の世界観と、現在でも人気のあるリアリティショーTV番組、そして往年の名作2Dアクションゲームを題材にして開発した横スクロールアクションゲームです。プレイヤーは主人公の赤毛の男を操作し、突如彼とその家族を引き裂いた壁を越え、亡命する権利を勝ち取るため、リアリティショー「ウォールショー」に参加することになります。
アクション部分は往年の名作を彷彿とさせる「ジャンプする」、「ぶら下がる」、「避ける」、「考える」がメインのシンプルながら骨太の設計です。美麗なドットなどアートに目を奪われますが、ゲームのベースとなっているシニカルな世界観は、「生きることとは何なのか」、「国家とは」、「個人の幸せとは何なのか」を自然と考えさせられるディストピア作品です。アクションが苦手な方向けの難易度選択も可能ですので、世界観に興味を持たれた方も是非プレイしてみてください。SteamとNintendo Switchで発売しています。