インディーゲームに開発にとって、時に大きな壁となるかもしれない開発資金の問題。一作目はどうしても他の仕事をしたりしながらの開発となるため、大作をつくることはムリゲー化してしまい、いくら創造の自由を願えども、いずれにせよどこかで生活基盤を確保せねば継続的な活動を行うことは困難かと思われます。
欧米では、Indie Fundという取組が行われており、この問題を解決しようとしています。
Indie Fund 『Q.U.B.E.』を事例に
FPS視点の脱出パズルゲームな『Q.U.B.E.』は、イギリスのToxic Gamesさんが開発されました。配信は2011年の12月の終わりごろ。時差の関係で、PLAYISMが全世界最初の配信でした。
開発チームは、わずか3名、しかも全員学生で、プログラマはひとりもいません。Unreal Engineの素材を組み合わせて開発されました。さて、お金もコネもないこの学生3名のチームが、いかにしてゲームを開発し、インディーズゲーム界で成功をおさめたのか。
『Q.U.B.E.』はIndie Fund支援第一号。Indie Fundによって見い出された作品、と言っても過言ではないのです。Indie Fundとは、成功したインディーズゲーム開発者が次のインディーズゲーム開発者を助けるものです。例えば、Braidの開発者などが参画し、気に入った開発中ゲームをチョイス。ゲーム開発に専念できるように資金提供するものです。(お金は後で返さなければなりませんが)
『Q.U.B.E.』はいかに見い出されたか
さて、何故に彼らは見い出されたのか。Indie Fundは、ある種極めて閉鎖的に支援作品が決定されますが、サイトには、こういうことをしなさいよ、というのが書いてあります。
- 賞を獲りなさい。
- ゲームメディアに接触しなさい。
- インディーズゲームのイベントごとには出席しなさい。
Q.U.B.E.は、Best UDK Gameノミネート。Independent Game Festival 2011年度の学生部門候補作。さらに、遠く離れた島国日本のセンスオブワンダーナイトでも受賞しています。ひとつでも多くの賞を取ることで、少しでもチャンスを広げてきたのでしょう。
また、2009年11月より彼らは開発ブログを立ち上げ、情報を小出しにしてきました。
学生ながら、彼らは自分たちの作品を少しでも情報を発信し続け、Indie Fundに見染められるという結果を得ました。そして、『Q.U.B.E.』は、発売早々であっという間にIndie Fundで受けた支援金を超える売上を記録しました。
(孤島を彷徨うアドベンチャーPCゲーム『Dear Esther』もこのIndie Fundのサポートを受けて世に出て来ました)
Indie Fundに見染められるのは難しいとはしても、彼らの行ってきたPR方法は、インディー開発者にとっても参考になる部分があるのではないでしょうか。