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2016.06.25

GAME NA KIBUNのBomBさんのアウェアネス・ルームズインタビュー

インディーゲームは、ゲームそのものもさることながら、作家性の高いものですので、そのゲームをどんな人がつくったのか?どんな想いでつくったのか?どうしてインディークリエイターになったのか?というつくり手のことも気になったりしますよね。
PLAYISMでは、もっと掘り下げた形でゲームを応援していければと思い、制作に至るまでのお話や、どのようにして開発者になったのかなど、普段聞けないようなお話をうかがってみました。 今回は『アウェアネス・ルームズ』の開発者GAME NA KIBUNのBomBさんにインタビューしてみました。
Game na Kibun
GAME NA KIBUNさん、こんにちは!今日はインタビューを受けていただきありがとうございます。まずは自己紹介をどうぞ!
こんにちは。GAME NA KIBUNのBomBともうします。ゲームの世界に飛び込んでしまうような没入感のあるゲームが大好きで、そんなゲームが作れたらなと思いながら現在一人でちまちま作っているサークルです。趣味で主に土日を使ってのんびりゲーム作っています。ゲームを遊ぶのも好きですが、作ることも昔から好きでやっています。
『アウェアネス・ルームズ』は2015年のデジゲー博で初お目見えとなったゲームです。ゲームの要素ありとあらゆる物を作り、自分にとって色々思い出深いゲームとなりました。
『アウェアネス・ルームズ』は徐々に状況が把握できるようになる「認識力」というユニークなコンセプトをテーマにしたとても可愛らしい脱出ゲームですが、このコンセプトはどういった発想から生まれたのでしょうか。
幼少期に見たゲームの世界と、十数年経って見たゲームの世界が違って見えて、不思議に思ったことがそもそもの発端でした。
ガーディック外伝』というかなーり古いファミコンゲームを幼少期の頃遊んだのですが、幼かった私の目に映る主人公はただの赤と白の短形。赤と白の短形が白い弾を撃って攻撃して、得体のしれない短形の何かを倒して、何がモチーフなのか分からないステージを進み・・・、ゲームの世界を認識することはできなくとも、なぜか楽しみながら遊んでいました。
それから時が経ち、『ガーディック外伝』の動画を見た時に、自分が動かしていた赤と白の短形は人型で、女性キャラクターだったことに驚きました。と、同時に何故ゲームの世界が分からなかったのだろうと、当時不思議に思ったのでした。


短めのゲームを作ろうと思っていたところ、ふと、この事を思い出し、「短形で何かわからないもの」を認識していくゲームって新しく、且つ、認識していく過程ってけっこう面白いんじゃないかなあ、と思い、『アウェアネス・ルームズ』の制作を始めました。
本作のパズルは一つひとつの完成度が高いと感じますが、どのような苦労がありましたか?また制作上の問題などありましたか?
体験したことをゲームにしようとしたので、そもそもどうやったらゲームになるのかを考えることが非常に難しかったです。
認識力が上がることで今まで調べられなかったことが調べられるようになる、というアイデアは思いつき、短めのゲームでそのアイデアを生かすなら部屋から脱出するようなゲームが良いだろうと、ジャンルやタイトルはすぐ決まりました。
そこから認識力が低くとも、なるべく想像の余地があるようパズルは調整し、認識力が100%になったら結局物体は何だったのか、一目で分かるグラフィックになるよう気をつけました。
認識力100%のグラフィックを人に見せて、これ何に見える?ってよく質問していたのもいい思い出です。
アウェアネス・ルームズ 100%
主人公は現実のようでもあり、夢のようでもある不思議な部屋を進んでいきます。当然、部屋はパズルと密接に関係したものになっていますが、この辺りは部屋のテーマが先行で考えられるのでしょうか。それともパズルのアイデアが先行するのでしょうか。
進むにつれて現実離れした部屋にしたいとは思っていたので、部屋のテーマを決めてそれからパズルを作る手法をとりました。一個テーマが決まると思いのほかするするとパズルが思いつくんです。
本作を作るにあたり、影響を受けた作品があれば教えてください。ちなみに、本作の空間を見たときに、Motherシリーズを想起しました。もしこの空間の見せ方についてこだわりがあればお伺いしたいです。
ゆめにっき』と『The Room』という脱出アドベンチャーだと思います。どちらも私の好きなゲームです。
あの空間の見せ方は正直なところ感覚的に決めました。ただ、画面を固定すれば奥行きがある1枚の絵のような表現になるので、認識力が50%や100%を超えた時に、一気に変わる様子は効果的に出たかなと思います。
アウェアネス・ルームズ 空間
ふと今思うと、『ゆめにっき』の中に一気に部屋の内装が変わる場面がありましたが、あの場面もMotherシリーズの見せ方でしたね。脳裏に焼き付いていたのかもしれません。
多くの脱出ゲームは「なんらかの理由があってどうしても部屋から出なければならない」状況に追い込まれていますが、本作では明確化されてはいないものの主人公の好奇心がその原動力になっていると感じました。そのあたりの設計にはどのような意図がありましたか。
認識しようとする行為自体に少なからず好奇心は必要、というのは頭にありました。四角い箱型の何かだけどつるつるしてるとか、薄いとか、何気ないことでも主人公の女の子はほぼ全ての物に好奇心を持ち、ある意味楽しんで部屋を散策するようなゲームにしたいと思っていました。
他の脱出ゲームとはちょっと違う、印象的なエンディングでした。このような終わらせ方にした意図があればお聞かせください。
ジャンルとタイトルが決まってから、あのエンディングにしようと考えていました。女の子もひょっとしたらしばらく脱出したくなかったのかもしれないね、なんて思いながら作っていました。脱出ゲームなのに。
PLAYISMのゲームで好きなモノはありますか?
開発室Pixelさんの『洞窟物語』と『ケロブラスター』、ききやまさんの『ゆめにっき』です。あと、NEXT-SOFT+さんの『Rime Berta』はRPGで育った身としては個人的ヒットでした。
最後にこのインタビューを読んでいる皆さんに一言お願いします。
体験したことからどうにかして形にした、やや実験的で挑戦的でありつつも、ゲーム部分もやっぱりどうにかして両立しようとした、そんなゲームになったと思います。パズルや謎解きが好きな方は楽しめると思いますので、ご興味があれば是非!

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